Married Life in Kyoto

京都で暮らす夫婦のまったり日常ブログ

もしも心を覗けたら

僕たちは他人の心の中を覗くことはできない。

 

だから誰かについて知りたいと思ったら、相手をそれとなく観察したり、相手の話に耳を傾けたりするしかない。
そうやって相手のことを知り、適切な気配りをすることは、人間関係を円滑に回すためには大切なことなのかもしれない。

 

でもそれは簡単なことじゃない。

 

若い頃、僕は、学校や仕事先でも、恋愛に関することでも、相手が何を望んでいるのか、心の中を覗くことができたらどんなに楽だろうと思っていた。
何が正解なのかをずっと探すことは、とてもしんどかった。

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自分がそういった気配りが下手くそなことに悩んだこともあった。
でも、いつからか、僕は正解探しを止めた。

 

正確に言えば、失敗しないことを優先するのを止めた。
失敗から学んでいけばいいと考えるようにした。

 

もちろん一度の失敗でぷっつりと切れてしまう人間関係もある。
けれども、それもまた自分の持っている縁なのだと思えるようになった。

 

正解探しを止めたら、不思議なことに人の話を聞くことが面白くなった。
そして誰かのことを知れば知るほど、その人のために何かしてあげたいという、やわらかな気持ちが湧いてくることも知った。
このやり方は、僕に合っていると思った。

 

だから今はもう、誰かの心の中を覗きたいとは思わない。

 

でも、もし一度だけ人の心を覗くことができるのなら、僕が死ぬ間際に、ハナに「結婚生活はどうだった?」と尋ねてから、ハナの心を覗いてみようかな。

 

「あんたなんかと結婚するんじゃなかった」なんて声が聞こえたら、絶望のあまり息の根が止まっちゃうかもしれないけど。